chapter 1 血の繋がり

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やがて三女の佐奈が生まれ 姫野家は三姉妹になっても 両親は大病をした真ん中の次女を甘やかした 「妹を妬むのは良い事ではありません あの子は死にかけたのよ ひどく辛い思いをしたのだから弱い者には 優しくしてあげないといけないでしょう? あなたはお姉ちゃんなんだからなんでも カンナに譲ってあげなさい」 しかし杏奈にはカンナの病気はすっかり 治っているように見えていた 杏奈はずっと胸にピンと張り詰めたような 居心地の悪い感情がなんなのかよくわからなかったが 母にそう言われて初めてこれが嫉妬というものなのかと気づいた 母の言いつけを聞いても病気の妹に嫉妬してる 自分がなんだか悪い子のように思えて その感情が起こるたびに杏奈は見て見ぬふりをした 普段の母は杏奈に優しくて作るごはんが 美味しくて大好きだったが 時々大好きな母が杏奈に冷たい態度を取る時があった それは杏奈が母を喜ばせられなかった時だ 算数のテストで良い成績を取れなかったり 習い事でピアノ教室の先生に覚えが悪いと 言われた時などだ 妹は何をしても愛されるのにどうして自分は 努力しないと母に愛されないのだろう と杏奈はいつも思っていた
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