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「よく・・・・
おっしゃっている意味がよくわかりません・・・
社長・・・・」
「頭の良い君の事だ
わからないことはないと思うのだが
僕がお願いしているのはただ単に
ビジネスとして結婚して欲しいと言う事なんです」
あまりにも淡々としたプロポーズの言葉だった
何かの聞き間違いかもしれないと杏奈は何度も思った
「あなたにはもっと時間をかけて
よく説明しなければいけないんだろうが
僕はあまり時間がないんです
近く祖父の遺産の島と会社の株それに祖父の信託財産を相続することになっているんです
しかしそれには条件がある 」
「条件・・・ですか?」
杏奈は大和の静かな落ち着いた声を聞きながら
その心の中で一言、一言を繰り返し
彼がいともたやすく口に出す恐ろしい
「ビジネス結婚」なんて単語を聞いてもなんとか
平静を保とうとしている自分に驚いた
「僕はどうしても祖父の島を手に入れたい
僕が結婚することが遺産を受け取る条件なんです
結婚して初めて祖父の島は僕の物になる
もちろん遺産を受け継いでしまえば
結婚は一時的なもので構わない 」
彼の言葉のニュアンスは間違えようもなく冷たいもので
杏奈は心臓を沈めようと大きく息を吸った
「もちろんビジネスの偽装婚ですから
肉体関係を強要するつもりもありません
僕はそんなに飢えていない 」
「・・・・社長に好意を寄せている女性で・・・・
あなたとの結婚を望んでいらっしゃる方は沢山いるでしょう?」
あまりのショックで酔いが冷めてしまった
杏奈がやっとの思いで聞き返した
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