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次の日の朝寝不足のまま
杏奈が出勤しようと上着を着て小雨が降っているので
ミュウミュウの折り畳み傘を持った時に
母が玄関まで見送りに来た
「その折り畳み傘素敵ね・・・新しく買ったの?
ジャケットの色に良く合っているわ」
「ありがとう」
「大丈夫?杏奈・・・・」
正人と婚約を解消したことを
両親にはまだ話していなかった
考える時間が欲しかったからだ
しかしこの母の態度からしてきっともうカンナが
電話してきて自分に都合の良い言い訳を母にしたのだろう
出勤前に母親と無駄な口論をして
神経をすり減らすのはごめんだった
「昨日・・・カンナから電話があったわ
何があったか聞いたわよ
まったくあの子には信じられない」
「一番信じられないのは私だわ」
杏奈は答えた
「いったいどうして
こんなことになってしまったのかしら?
何か心当たりない?」
「さっぱりわからないわ 」
「カンナが言うにはあなたと正人さんは問題を
抱えていたと言うのよ」
杏奈は大きくため息をついた
「私たちの間の問題はカンナよ」
母は大きくため息をついた
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