chapter 2 運命の向こう側

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次の日の朝寝不足のまま 杏奈が出勤しようと上着を着て小雨が降っているので ミュウミュウの折り畳み傘を持った時に 母が玄関まで見送りに来た 「その折り畳み傘素敵ね・・・新しく買ったの?  ジャケットの色に良く合っているわ」 「ありがとう」 「大丈夫?杏奈・・・・」 正人と婚約を解消したことを 両親にはまだ話していなかった 考える時間が欲しかったからだ しかしこの母の態度からしてきっともうカンナが 電話してきて自分に都合の良い言い訳を母にしたのだろう 出勤前に母親と無駄な口論をして 神経をすり減らすのはごめんだった 「昨日・・・カンナから電話があったわ 何があったか聞いたわよ まったくあの子には信じられない」 「一番信じられないのは私だわ」 杏奈は答えた 「いったいどうして こんなことになってしまったのかしら? 何か心当たりない?」  「さっぱりわからないわ 」 「カンナが言うにはあなたと正人さんは問題を 抱えていたと言うのよ」 杏奈は大きくため息をついた 「私たちの間の問題はカンナよ」 母は大きくため息をついた
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