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きちんと掃除が行き届いた部屋
美しいソファーや椅子、高い天井に息を飲んだ
まるで外国映画を見ているようだった
杏奈は失礼かもと思ったが
周りを見回さずにはいられなかった
彼はここを住まいにしているなんて・・・・
そして全面ガラスの羽目板の景色からは
オフィスと変わらず太平洋の全貌が現れていた
本当に海が好きなのね・・・・・
彼は上着を脱いでキングサイズのベッドに放り投げ
カフスボタンをはずして袖を二回まくりあげた
逞しい腕が現れる
「上着を預かろうか?」
「いっいいえ・・・結構です」
「座ったらどうだい? 」
フカフカの座り心地のよさそうな椅子を手で示す
「何か飲み物でも?」
「結構です」
杏奈はおずおずとソファーの端っこにちょこんと座った
「そう硬くならないで
意地悪などしないよ 」
どこか彼は愉快そうな瞳で杏奈を見た
「意地悪されてもちゃんと対処できます」
ムッとした杏奈は眉をよせて答えた
数秒間彼はまじまじと杏奈を見ていたがクスクス笑い出した
もう・・・また私を見て笑ってるわ・・・
その時部屋のインターフォンが鳴った
「弁護士団が来たな」
彼が言った
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