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ある日講師の公子おばさんが杏奈のために
特別に作った花瓶をプレゼントしてくれた
その頃には杏奈が公子おばさんの教室で一番熱心な
生徒になっていた
杏奈はフラワーアレンジメントをこれほど
強く学びたいと思ったことはなかった
公子おばさんからもらった虹色の小さな花瓶に
水を吸いこませたスポンジを入れ
杏奈の好きなユリとかすみ草を使ってドーム型にしさらに杏奈のアイデアでそこに100均で買った
ラインストーンを花びらにちりばめてアレンジした
まるで小さな宝石箱の様な
可愛らしいアレンジメントは
講師の公子おばさんに絶賛され
近所のお花屋さんがぜひうちの店に置かせてほしいと褒められた
杏奈は我ながら良く出来た自分の作品が誇らしく
その日は杏奈にとって
子供時代で一番幸せな日になった
それから数日後の夕方杏奈はピアノ教室から
帰宅した
何時間もピンと背中を張り同じ姿勢を
続けていたせいで
指は吊り背中は筋肉痛になっていた
二階に上がり自分の部屋に行くと
杏奈の机で妹が何かしていた
杏奈は怒った
姉の机には触るなとあれほど言っているのに
妹は禁止されればされるほど興味が湧くらしい
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