chapter 1 血の繋がり

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今まで妹には杏奈の塗り絵や大切にしている ハンカチや本も破られたりしていた 杏奈はなるべく恐ろしく聞こえるように怒鳴った 「何をしてるの?」   怒った杏奈の声にカンナが驚いて振り返り はずみで手にしていたものが落ちた パリーンッ!! 何かが大きく割れる音が響き 二人は呆然となった フローリングの床に散らばったガラスの破片 杏奈は声もなくじっと見つめていた 公子おばさんにもらった虹色の花瓶だった 綺麗に生けた花もぐちゃぐちゃに散らばっていた 「どうしてくれるの! 公子おばさんにもらった花瓶! 宝物だったのに! あっちへ行きなさいよ!」 激しい怒りと共に杏奈はカンナに怒鳴った 目には涙がじわりと滲んできた しかし先に泣いたのは妹の方だった カンナは小さな顔を真っ赤にして大声で泣いた 泣き声を聞きつけて母が飛んで来た 「お姉ちゃんが怒ったぁ~~ 」 カンナはしゃくりあげながら母に訴えた 「カンナ!怪我はしていない?」 割れたガラスの破片を見ると 慌てて母は妹を抱き上げた 「カンナが私の花瓶を割ったのよ!」 杏奈は大声で母に言った 泣きたいのはこっちだった 「勝手に部屋に入って! 私の机に乗って! 公子おばさんにもらった花瓶! 宝物だったのに」 母はカンナを抱いたまま大きくため息をついた 「とにかく・・・・ ふたりとも怪我がなくてよかったわ 掃除機をもってくるから 触っちゃダメよ ガラスは危ないわ 」 母は困った顔で言った 「ママ!カンナを怒ってよ! カンナなんか大嫌い! 今度私の部屋に入ったら叩くからね!」 カンナの泣き声がいっそう大きく部屋に響いた 母はしかめ面をして言った
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