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【ショッピングモール駐車場】
美佐江が両手に持ち帰り用寿司の丸桶を
それぞれ3段ずつ買い込み
さらに誕生日用のケーキや他
大量のパーティ道具の
買い物を済ませ車に戻ってみると
どういうわけかかれこれ20年乗っている
我が家のエスティマはアクセルを踏んでも
イグニッションキーを何度回しても
その頑固な機会は動こうとしなかった
美佐江は途方に暮れて
駐車場のガードマンに
車の様子を見てもらう様に頼んだ
ガードマンは車のボンネットを開け
頭を突っ込んでしばらくあちこち弄り回したが
やがて頭をひっこめて肩をすくめた
「奥さんこりゃダメですね~
ディーラーに持って行かないといけませんよ」
「まぁ・・・困ったわ~ 」
美佐江はガードマンに礼を言い
しかたがなく駐車場から保険会社に電話した
「ええ・・・・急に動かなくなりまして・・・
ハイ・・ああ・そうですか?
今からレッカーで来てくれるんですか?
まぁ助かりましたわ・・・
ええ・・花園町の姫野です・・・
保険契約者は姫野登で・・
ハイ・・・私は妻の美佐江です
ハイ・・ハイ・・10分ほどですね・・
ええ待っています 」
その時美佐江の横合いから深みのある声がした
「失礼ですが 何かお困りですか?」
美佐江はその声に振り返った
するとエスティマの隣に駐車している
シルバーのスポーツカーを挟んで背の高い素敵な
男性がこっちを向いていた
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