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「わぁ!すごい車!」
「ピッカピカだぁ~!」
佐奈の友達の一人がリビングから窓の外を見て大きな声で言った
「あれ!佐奈ちゃんの家の駐車場に入ったよ!」
もう一人も窓の外を見て行った
杏奈も自分の家の駐車場に車が入ってくる音を聞いた
しかしその車のエンジン音はいつもの聞き慣れた
我が家のエスティマのエンジン音ではなかった
その変わった車のエンジン音を聞きつけて父も自分の部屋から出てきた
そして母と一緒に誰かが車から降りてきて
我が家に入ってくるのに気が付いた
杏奈は驚きのあまり息が止まるほどだった
駐車場に優雅に停車している車は大和の
アストンマーティンだった
せまい杏奈の家の駐車場には
その車は似つかわしくないほど輝き
車体は長く優雅に弧を描いたフォルムは
その空間だけ異世界だった
道行く人がこの車を見て一時停止している
こういう彼の持ち物が彼が大変な財産家だと人に思わせるのだ
杏奈は弾かれたように立ち上がり
慌てて玄関まで駆け出すと
なんと佐奈とそのクラスメイト達に先を越された
玄関は彼を一目見ようと人でいっぱいになり
一番に玄関にたどり着いた佐奈はドアを大きく開けて叫んだ
「信じられない!海運王の安部大和だ!!」
大和は玄関にすし詰め状態になっている
佐奈達を見てニヤリと笑って言った
「いかにも」
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