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ぷうろろーぐ
ヤバいヤバいヤバい。
わかってる。受け入れてる。
健康な人間の体はどうしても、悪臭漂うガスを放出する時があるのだと。
だ、け、ど!
今はまずい!!
なんてったってここは、試験中の教室。
問題用紙を裏返す音や文字を書く音以外はほとんどなんの音も鳴らない、圧倒的な静けさ。
そして、わたしの席は教室のど真ん中。
トイレに行くべき?
いやでも、立ったり歩いたりしただけで漏れそうなくらいギリギリで。
部活一筋であまりクラスメートと話せていないわたしは、決して友達が多い方ではない。
おならなんかしてしまったら、これをきっかけに嫌われ者になるに決まってる。
どうかお願い、わたしの腸。
試験終了のチャイムが鳴るまで耐えて。
あと二十分だけで、いいの。
けれど、乙女の切実な願い虚しく、残酷な現実は訪れた。
ぷううううううううう!
静けさの中で響く、巨大なファルセット。
よりにもよって、今までに聞いたこともないほどの爆音だった。下手したら隣のクラスまで響いてるかも。
最悪だ。ああどうしよう。わたしだってバレるかな? 位置的にだいたいわかっちゃうよな。
教室のど真ん中で屁をこいた女だなんて知られたら、とてもじゃないけどこの後の学校生活を続けられる自信がない。
だから、わたしは覚悟を決める。
もしバレたら、この校舎ごと——
と、考えかけたその時。
左側から、男子生徒の叫び声が聞こえた。
「ごめん! 今のは僕です!!」
…………えっ?
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