ほん屁ん

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 ※ ※ ※  ——もしバレたら、この校舎ごと、わたしの失態を知った人間を全員爆破する!!  はあ、今日はまじで焦ったな……。  誰もいない放課後の化学室。薬品の瓶を開けながら二時間目の自分の精神状態を思い返して、東条響はふっと秘密の笑みをこぼした。  斜め後ろの男子生徒・西宮がなぜか罪を被ってくれたことでことなきを得た期末試験最終日。  東条は今日も、たった一人の化学同好会の活動に勤しむ。  もちろん、爆弾なんて作らない。  ——二時間目の静けさの中、追い詰められた才女が一時的に陥っていた錯乱状態について、純情な男子高校生二人は知る由もなかった。
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