ほん屁ん

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 ※ ※ ※  二時間目は地理のテストだった。  数学や国語などと違って、時間が余りがちな社会科のテスト。  開始から半分ほどが過ぎると解き終えた人も増え始め、居眠りしたり、見直しをしたり、各々のスタイルで時間を潰していた。  僕はというと、ぼーっと黒板上の壁時計を眺めている振りをして、視界の右端の西宮さんの魅力に悶えている。隣にいられてうれしいはずなのに、隣だから見つめられなくてもどかしい。透明人間になりてえ。  人知れず、人知れるべからざる妄想をしているうち、試験終了まで二十分を切った。  問題数がそこまで多くなかったこともあってか、この頃になるとクラスのほとんどがペンを置いていた。  右斜め前の東条さんは、両手を頭の後ろで組み、上半身を左に右にうんと伸ばしている。強者の余裕を感じさせる悠々としたストレッチだ。  僕の前の堀北も暇を持て余したのか正拳突きをしているけれど、こいつの場合は、解けなくて諦めた可能性も高い。  少しの間周囲をぼーっと観察した後、今一度西宮さんのかわいさを拝もうと意識を右側に向けた時。  ぷううううううううう!  突然教室に響き渡った爆音は、紛れもなく、おならの音だった。
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