ほん屁ん

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 あまりにも大きな音だったから、正確な出所は特定できなかった。  けれど、僕からそこまで遠くない地点、それも右側から聞こえたのは確実だった。  前の席の堀北が、ちらっと右側に顔を向ける。  視界の端で、西宮さんが微かに動くのが見えた。    両手でスカートの裾をぎゅっと握って、顔を真っ赤にしている。  これは、まさか。  西宮さんがもう少し冷静だったなら、なんでもない顔を装ってやり過ごすことができただろう。  けれど、目に涙を浮かべた彼女の表情は、どこからどう見ても犯人でしかなかった。  じわじわと、教室の視線が西宮さんに集まる。  まずい。  このままだと、西宮さんの名誉が。  そこから先は、ほとんど反射的な行動だった。 「ごめん!」    両手を顔の前で合わせ、決まり悪そうな笑みを装って叫ぶ。 「今のは僕です!!」
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