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秒針の音が、三回。
圧倒的な静けさののち、教室が爆笑の渦に包まれた。
教卓から「おいテスト中だぞ」と注意した先生も、口元に笑みを隠しきれていない。
一瞬で教室中の笑い者になってしまった僕。向こう数日はこの件でいじり倒されるだろう。
だけど、これでいいんだ。
顔を正面に向けたまま、さりげなく右隣を確認する。
潤んだ目を見開いて、あっけにとられた表情で僕を見つめる西宮さん。
僕はきっと、この日のために生まれてきたんだろう。
君の平和を守るためなら、何枚濡れ衣を着たって構わないさ。
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