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「ヤバい!ヤバい!ヤバい!マジ、旅行だよーッ!」
私はその場で足をバタバタとさせて小声で悶えた。
「マジ、ヤバいって!熱海でも伊豆でも、温泉だよ?僕、無理無理ッ!」
りゅうりゅうもハァハァと息が荒い。
「確かに同室とか一緒に温泉とか羨ましいけど、私が逆の立場なら、絶対失血死する自信がある」
何つっても鼻血常習者だもんね。
「僕も、間違いなく気絶する自信しかない」
うん。
分かりすぎる。
「歩実と千景みたいな上級者なら、部屋の壁になりたいだの、天井になりたいだの、あわよくば、温泉のお湯になりたいと言いそうだーッ!」
りゅうりゅうが、腰で握り拳を作り小声で絶叫。壊れ掛けてる。
「とにかく、私達には刺激が強いことは一目瞭然。社員旅行に歩実と千景が何で?って思ったけど、逆にあいつらは必要必死」
「この旅行を攻略するための、チートスキルを手にしたようなもんだ!」
チートスキルは意味不明だけど、私とりゅうりゅうは、お互い見つめ合って右手をがっちりと握り合った。
「この旅行、何が何でも絶対に無事に生還するわよ」
「了解ッ!」
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