新たなステージ

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そんなこんなで、今夜の夕飯は冷やし中華を作って、体ごとクールダウンさせる事にした。 「んで、旅行は結局どこに行くのよ」 ズルズルと麺を啜った歩実が聞いてきた。 「熱海か伊豆って言ってた」 「ほうほう。温泉ですね」 歩実がニヤニヤ笑う。 「温泉といえば浴衣。浴衣といえばはだける。はだけるといえば……」 歩実のニヤケ顔のもったいつけた言い方に、私はなぜかドキドキしてしまう。 「もう、ラッキースケベな展開しか目に浮かばないッ!」 歩実は箸を握って、ダンッとテーブルを叩いた。 「歩実、歩実ちゃーん」 ヤダ、この子。怖いわよ。 「お姉ちゃん。ボックスティッシュ、買い溜めしておきな」 「ちょっ!それ言う?確かに鼻血常習者だけどさッ!」 確かに私もさっきそれ思ったけどさー! 「ヤバい。楽しみで死にそう。ううん、逆だわ。生きる糧になったわ」 「あんた、どんだけ仕事辛いの?」 姉として心配になってきたわ。 「辛すぎるわよッ!華やかなアパレル業界の広報にいながら、上司はハゲブタのジジィ!うっせーババァばっかなんだからッ!」 うわぁ。 かなーりストレスMAX。 「旅行行ったら、写真撮りまくらないと」 鼻息荒いよ? こんなんで、本当に旅行は無事に終わるんだろうか。
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