プロローグ

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プロローグ

学校が嫌いだ。 誰も片付けないチョークの汚れが、綺麗にならない黒板が、きちんと揃えられてない机が、人と人との距離が、咳き込む音や話し声が、楽しそうな校庭で遊ぶ声が、偉そうな教師とだるそうな生徒が 無駄にうるさいチャイムが 帰るまでの拘束時間が嫌いだ。 「せんせーさよーならー」 「さようならー」 がやがや 「ねぇねぇ、夜の教室にさ、出るらしいよ幽霊 今度肝試ししてみない?」 「えーいいよー普通に警備の人に怒られるし 実際でなくて気まずいまま解散になるやつだよ」 「なんでそう現実的なの?! 本当に影が見える、寒気するって話もちらほら……」 「それより恋する小学生(26歳)買った?面白かったよー」 「あ、買ってない!」 コロコロと変わるクラスメイトの会話が妙に耳に入ってくる 寒気……か。 もし幽霊なんて本当にいるのだとしたら 可哀想だな 死んでまでこんなとこ、ごめんだよ 「……?」 ふわっと、なにか風がふく 窓があいていないのに、けれどそれは寒気ではなく 「……なんか、暖かいような」 気の所為かな ぼー、としてると、声がかかった 「太なにしてるの、帰るよー」 「……うん」 幼馴染の声、僕は歩みを進める 帰ろう、とっとと けどなんだろうこの、暖かい空気はさておき なんか、忘れ物してる感じは
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