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目の前にパーカーを被り、サングラスをかけマスクをつけた怪しい男がいた。
いや、顔が隠れているし髪も見えないから性別はわからない。
とにかく第一印象は「怪しい」だ。
と、急にそいつが走り出した。
俺の方と逆方向に走るものだから、後ろから不審者が来ているのかと思った。
だが後ろには誰もいない。
俺はそいつに少し興味を持って追いかけてみることにした。
そいつは、段々と歩くスピードになってくる。
だが後ろをちらちら見ると、また走り出した。
「なんなんだよっ…」
俺は少し呆れながらもそいつについていった。
あれ、行き止まりじゃないか。
もう逃げ道なんてない。
なのにこいつは何に怯えているんだ?
「ひぇっ。殺さないでくれぇぇ」
そいつは壁のギリギリまで体をつけると必死に怯える。
そいつのサングラスには、全身真っ黒、マスクをつけサングラスをかけ、血の付いた包丁を持った俺が写っていた。
「お前は何に怯えているんだ?」
俺は包丁を護身用にそいつに向けた。
いつ攻撃してくるかはわからない……。
完
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