1.予言

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1.予言

体が怠い。 いつもの予言がやって来る合図だ。 桜小路あやのは、痛い体を押して起き上がった。 「この揺れは、鳥取か。」 ダダダダーッと揺れている。 地震は来ていていない。SNSを見ると揺れているのは、北海道や東北だけ。 しかし、山の異変は鳥取で起きていた。 温泉の湯は枯渇し、あやのの叔父さんが経営する旅の宿「クラブトリック」にも異変は起きていた。 電気代やガス代が高騰する中、温泉の温度が足りない。 ボイラーで高熱に温泉水を温めないと宿泊客には提供できない。 たくさん鳴っている海鳴りは太平洋側で聞こえている。 しかし、プレートが動くことで鳥取にも異変が起き、日本海にある海底火山が噴火し始めていた。 あやのは、夢の中で「おい。起きろ。」と言われた。 深夜3時5分。 北側の日本海側からお告げ人のおじさんが怒る。 「これから災いが来る。みなに知らせよ。」 静かな真夜中。 「誰だ?このおじさん。」 毎度、見知らぬおじさんが災害が大きい時だけ、話しかけて来る。 普段は、話しかけて来ず大地だけ揺れたり、地鳴りだけ鳴ったり、海鳴りだけよく聞こえる。 今月は、太平洋側から聞こえてインドネシアに地震が来た。 今年は海鳴りが多い。 海底火山も噴火してるから、大雪も大雨も多い。 「おじさん、みんなに知らせよとのお告げか。」 仕方なく、あやのはSNSで発信を始めた。
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