11.宣戦布告!

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11.宣戦布告!

「ふ、藤野がどうかした?」 「俺がアイツと幼馴染なのは先生、知っておられますか」 「ああ、聞いたことあるよ。仲良さそうにしているもんな。いつも一緒で」 「それ、藤野に頼まれているんですよ」 頼まれて仲良くしている? 俺は畑中の言うことが理解できず、首を傾げると畑中は小さくため息をついて頭をかいた。 「俺と仲良くしたら、塩谷先生がきっと寂しがるだろうから一緒に居てくれって言われてるんです。あいつめっちゃ塩谷先生好きでしょ」 それを聞いた途端、俺はきっと鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたと思う。何言ってんだ、あのバカ…!俺は思わず頭を抱えてしまう。 「お、お前そんな幼馴染の要望おかしいって思わなかったの」 「幼馴染ですから、断る理由もないですし」 ガクッと肩を落とす俺。結局、藤野は俺に飽きたわけではなく、駆け引きのために幼馴染の畑中を利用していたということか。呆れたやつだ。 「すまんな、お前にも迷惑かけて」 ため息まじりに謝ると、畑中は首を横に振った。 「…いえむしろ俺にとっては好都合なんです」 「は?」 「俺、小さい頃からアイツが好きなんで。まさか大学で准教授に持っていかれるとは思っていませんでした」 なんと。 「そ、そうなのか」 情報量が多すぎて目が回りそうだ。 「だから先生。アイツはわざと仲良くしてくれ、なんて言ってるけど俺このまま先生からアイツを奪って見せますから」 奪うって、藤野は俺の所有物じゃないんですけど?勝手に宣戦布告されて、俺はなんだかムカムカしてきた。 なんなんだよこの二人。俺は持っていたペンをぐっと握りしめ席を立った。 「恋愛ごっこならお前らだけでやれよ。俺を巻き込むな、勝手にしろ」 「…じゃあ、勝手にします」 畑中も席を立ち俺を一瞥すると、そのまま教室を出ていく。後に残された俺は彼の背中を睨みつけていた。
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