16.喪失!

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16.喪失!

「ご、ごめん!僕…」 藤野が珍しく慌てている。さっきまでの熱弁が嘘のようだ。ライオンがあっという間に子犬にかわる。ああ年上受けはこんな気持ちなのかな。俺は慌てる藤野を抱き寄せた。 「まあもう、結果オーライなんだからいいんじゃないの?」 そう言うと藤野は俺の背中に手を回してきた。 「やった!まじ嬉しい!」 今日はもう体に触れられるだけでは終わらないと覚悟していたけれど、肝心なことを確認してなかった。それは藤野も気がついたらしい。 長くて熱いキスを終えた後、藤野から聞いてきた。 「ねぇ、先生。童貞喪失と処女喪失どっちがいい?」 何だそりゃと思いながらも俺は真剣に悩んでしまう。男なら童貞は捨てたいに決まっている。この大学にいるお陰で挿れられる側も気持ちいいことは知っているが、やはり勇気がいるし… 悩んでいると藤野はニヤニヤしながら耳元で囁いた。 「まあ童貞のままの方が『童貞心理学』の准教授として相応しいよね」 その言葉に俺は藤野を睨む。 やっぱりこいつは童貞じゃない。初めから挿れるつもりだったんだな! 「じゃ、相応しいほうで頼む」 そう言うと藤野はオッケー、と耳たぶを舐めた。 男同士のセックスは授業で知っているし、藤野が触れてくるのも気持ちいいから覚悟は出来ていたけれど。 指でふやけるくらいに解された孔に、後ろから藤野がゆっくりと挿れてくるとものすごい圧迫感に襲われた。 「う…ぐっ…!」 色気も何もない声を出してしまう。息の仕方も忘れてしまいそうだ。 「処女喪失、おめでと!ゆっくり、動くから、息はちゃんとしてね」 藤野にそう言われて俺は息を整えた。 そのうちパンパンと肌を打ちつける音が室内に響いてきた。 「あっ、やぁ…!あっ、あっ…!」 俺の手首を掴み、腰を振る藤野。お前ゆっくりって言ったくせに!グチュグチュとやらしい音も混じり、さらに気持ち良くなっていく。 「先生の中、めちゃ気持ちいい…もう、童貞卒業しなくていいよ…」 「んんっ!そこ…!やばぃ、だめっ」 スルッと藤野が俺のアレを握りながら扱くものだから、二重に快楽の波に揉まれて俺はさらに声を出す。 「藤野ぉ…っ、もぉ…イク…っ」 「僕もっ、一緒に、イこ…っ!」
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