君に恋する青い月【特別編の番外編⑥】樹の結婚報告会

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「あ、でも結婚式は親族だけでこじんまりとやるつもりだから、そのあとのパーティーに来てよ。うちのバーでやるから」 「オッケー!あのバー雰囲気いいじゃん?楽しみ」 「てか、二次会に彼女――奥さんも来るんだろうな?お前だけじゃないよな」  疑るような目つきで昇太が言うので、樹がおかしな顔をして答える。 「結婚式の二次会なのに、オレだけいる方がおかしくないか?」 「金髪の先輩とお前が並んで会見するとか」 「え?伊織さんのことか?明らかにおかしいだろ!」  昇太と忠士が腹を抱えて笑っている。 「あの人、男だけどめっちゃきれいな顔してるから良いじゃん!」 「良いわけないだろ!」 「あっはっは!そりゃそうだ。樹ちゃんが彼女のこと隠そうとするから、よけい気になるんだよな」  飲み会の話題が樹の結婚のことで持ちきりになり、二時間ほど過ぎた頃、そろそろ帰るかという声が出た。  お会計の段階で、樹が財布を出そうとしたとき。 「いいよ、今日はオレたちが払っておく」 「え?なんでだよそんな」  戸惑いながら樹が言うと、忠士が続けた。 「結婚の前祝いってことで。幸せのお裾分けをもらったからな。だから」 「その代わり、二次会ではちゃんと奥さんを紹介しろよ」  ニカッと笑う昇太と忠士を前に、樹はありがとうと礼を伝えた。
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