君に恋する青い月【特別編の番外編⑥】樹の結婚報告会

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 先に店の外に出た樹は、スマホを取り出して家で待つ汐里にメッセージを送信した。  時間は二十一半すぎ。二時間半ほど店にいたことになる。 (樹)今終わった。もうすぐ帰るね。  すぐに既読になり、返信が届く。 (しおりん)気をつけて帰ってきてね!待ってる~!  画面を見つめる樹の口元には優しげな笑みがこぼれた。  すると、続いてポンッと写真が送られてきた。  汐里が自撮りしたものだ。  投げキッスを模したポーズがきゅんと来る。 「ほお~、めっちゃ可愛い彼女じゃん!」  樹が気配に気付いて振り返ると、背後から昇太と忠士がのぞき込んでいるではないか。 「『しおりん』か。ほほ~ん」 「な!何だお前ら!いつの間に!?」 「隙だらけだぞ。いや、好きだらけかな?」 「彼女にぞっこんすぎて油断してたお前が悪い」  樹は顔を赤らめて、慌ててスマホをポケットにしまった。 「いや~ん樹ちゃんたら~」 「あんな可愛い子が、お前に良いようにされてるとは、けしからん!」  昇太が力を込めて悔しそうに言った。  忠士もふざけながら身体をくねらせた。  思ったより酒が回っているのかもしれない。
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