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「そうだっけ」
目の前で大慌てしている二人を見ながら、樹は苦笑いしていた。
「そうだよ!!証人はオレと忠士だ!」
「えー!?何、どんな人なんだよ、樹に結婚を決意させた相手って!?」
再び、拳をマイクのように樹に向けてインタビューの始まりだ。
まずは、昇太が口を開く。
「よっぽど魅力的なお姉さまだと見受けられますが、そこのところどうなんですか?」
「お姉さま?ああ、年上じゃないよ」
ぽそりと呟く樹に、再度インタビュアーの二人は大声で叫んだ。
「えええ―――!?」
「違うの!?じゃあ、同い年?!」
今まで、樹は年上の女性にしか興味を示さなかったはず。
同い年でも驚きである。
「ノー。年下、二十歳の子」
「は、は、は、ハタチですとーっ!?」
昇太は、座っていた椅子からひっくり返りそうになるほど仰け反って驚いている。
ポーズがまるで歌舞伎役者だ。
「お前、自分の年齢分かってるか!?二十七だぞ?そんな若い子と!?」
「別に、そんなおかしなことでもないだろ」
「おかしい!!お前本当に本物の樹か?」
変装した怪しいヤツじゃないかと言って、昇太が身を乗り出してきて樹の頬を軽く引っ張った。
年上が好きだったはずなのに、どうしてそんな七つも下の女の子と結婚するなんてことなったのか、二人は納得いかないらしい。
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