君に恋する青い月【特別編の番外編⑥】樹の結婚報告会

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「お前らに見せるのがもったいない」  目を逸らして顔を赤らめる樹。  先ほどから何度照れているのだろう。  しかし、本人は気が付いていないらしい。  すると、昇太と忠士はヒソヒソ話を始めた。 「(可愛くないのかな)」 「(だから見せたくないのかな)」  ヒソヒソ言っているわりには樹にまる聞こえだ。 「お前ら失礼だな!」  怒った顔で樹が言ったあとに昇太が続けた。 「じゃぁ写真見せろよ」 「嫌だ」  樹は反発を続けている。 「減るもんじゃなし」 「お前らに見せたら減る」 「くっそー!何だよー!」 「じゃぁさ、どこに惚れたんだ?教えろ」  悔しがる昇太と、負けじとインタビューを続けようとする忠士。  樹はその勢いに半分圧倒されている。 「どこって……どこだろ」 「性格が良いとか?めっちゃスタイルが良い、色っぽいとか、何かあるんだろ?」 「ああ、性格は良いよ。他は……う~ん、一緒にいて面白いし楽しい」 「一緒にいて面白い!楽しい!!」 「料理が上手で」 「料理が上手!!」  樹が言葉を発するたびに、二人が後を追うように同じ事を繰り返す。  リピートアフターミーの状態である。 「相性がいいのかな」 「えっ!相性がいい!?って、どういう意味だ!?」  身を乗り出してきて聞く昇太と忠士に、樹は仰け反っている。 「相性は相性だろ。一緒にいることに違和感を感じない。これがすべてだ」  照れながらも樹はずばっと言い切った。
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