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「お母さん」が職業になってしばらく立つ。
生後間もなくして捨てられる子供、虐待されながら育つ子供、望まない妊娠、これらが社会問題になって随分経ってからようやく国が具体的な対策を打った。
育てられないなら育てるな、プロに任せればいい、と。
そのプロと言うのが僕のような国家試験をパスした「お母さん」だ。
ぼーっと生きていてもいずれお父さんになれる確率は十分あったが、お母さんには一生なれないと落ち込んでいた僕にはぴったりな職業だと思った。
そして「お母さん」の職に就いた僕は、だんだんと本物になりたいと願うようになってしまった。
しかし自然にその時を待つのでは時間が掛かり過ぎる。だから僕はぴったりな相手を探すためマッチングアプリに登録した。
そこで運命の相手、麗華さんに出会った。
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