1月20日

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1月20日

今日は出勤予定だったけど、昨日会えなかった鬱憤を晴らすべく、午後空いてるよ、のお言葉に甘えて、早退、、と考えながら、欠勤をセレクトした自分。少しの罪悪感と、多量の喜びで心も躍る。 朝のお決まりの電話から始まり、午前も少し時間が取れるとのことで、保育園に子供を送ってからコメダ珈琲でモーニングでもしよっか、と予定を立てた。 保育園へ送ったその足で、銀行へ用を足しに行こうとしていた矢先、無理矢理仕事の予定を変えたS君から予定変更の旨を伝えられる。 早々に打ち合わせを終わらせ、その後はフリーだからそれからご飯に行こうとのこと。 私に合わせる形になり申し訳なく思いながらも、そうまでして私との時間のために動いてくれるのか、と素直に嬉しくなる。 銀行での用を終えて車に戻った所で、横の通りを通過するS君の営業車に気付き、ああ終わって会社に戻るのか、と動きを把握する私。なんならLINEで逐一お互いの動きは送り合っているのだが、横を通るとは考えておらず、勝手に嬉しくなり、顔も緩む。向こうも気づいていたようで、お互いLINEで存在に気づいたことを報告し合う私達。バカップル感がすごい。ストーカーチックでもある。 それから自分の車に乗り換えたS君と通話を楽しみつつ、車を一台にするための場所へ移動し、S君の車に乗せてもらい、いざ出発。とはならず、シートベルトを締めて早々に引き寄せられ、唇を奪われる。優しい眼差しで、おかえり、と言ってくれる。それだけで心が満たされて、いつも泣きたくなってしまう。 ただいま、と照れながら答えると、また深いキスをされ、すぐにイキそうになる私。そんな私の様子を楽しそうに見ながら、ガンガン攻めてくるS君。苦しくて、つねられ、噛まれれば痛くて、、それなのに身体は喜んで、脳内も快感でふやけてしまう。何故なのか自分でも本当に不思議。 あっという間に複数回イカされ、恥ずかしさで思わずキッっと睨んでしまう私。そんな私の反応にも慣れてるS君は、涼しい顔をして車を発車させた。 午後に映画を観る予定を入れていたため、そっち方面の星乃珈琲店で遅いモーニングを摂ることにし、しばし車に揺られる。赤信号で止まる度に唇を重ねたり、抱き寄せてくれるS君。そんな甘美な時間が恥ずかしい反面、待ち遠しい。口では色々言い訳を並べながら、心はドキドキと、近づいてくるであろうその口付けの瞬間を待っている私。素直になるのは難しい、といつも悩んでしまうのだった。 星乃珈琲店で、私は珈琲とスフレドリア、S君は珈琲とチーズケーキを注文し、映画までの時間を潰すための次の行動を考える。 その結果、アリオをぶらつくことに決まり、珈琲店を後にした。 アリオに着いてから店内をのんびり散策し、買い物をしたり、ガチャガチャを回したりと、特に目的はない2人の時間を楽しんだ。手を繋ぎ、人の多い店内を一緒に並んで歩く。それだけで計り知れない程の幸福感に包まれる。一つ問題があるとすれば、そんな最中に私をイカせようと、度々刺激を与えてくることだろうか。人がたくさん行き交う公共の場で、平気な顔をしてイクことは本当にしんどい。そのうち声が漏れてしまうのでは、と不安で仕方ない。それなのに、S君が与えてくる刺激は快感になり、いつも簡単に高みへと導かれてしまう。やはり私の身体がおかしいのだろうか。 上映時間が一時間後に迫る頃、そろそろ向かおうかと車に戻ると、ホテルに行く?と尋ねられた。映画は?と問うと、来週私が生理予定だからその時に見ればいいし、たくさんイカされて身体が辛かろうとのこと。分かっていながらイカせてたのか、、とまた顔が真っ赤になる感覚に襲われる。私の心はそれほどまでにお見通しなのか、と。 映画に行く気満々ではあったが、昂った身体を鎮めてほしい気持ちが勝り、結局今日もホテルに行くことになった。ホテル行きすぎだよなぁと、お互い嫌と言うほど分かっている。それでも欲望に歯止めがきかない。自分にこんな欲が生まれようとは、微塵にも思っていなかった。 S君が好きで、好きで好きで大好きで、感情が溢れ出して、心を、身体を、求めたくなってしまう。愛の確認だけではなく、S君が気持ちよくしてくれるって、身体も脳も覚えてしまっているから。ホテルへ向かう道中でも、ちょいちょい刺激を与えられ、キスやハグを繰り返しつつ、コンビニに立ち寄ってからホテルへINした。 今日訪れたホテルはメンバーズカードも持っており、地味にポイントを貯めつつ、全部屋制覇も密かに狙っている。前回写真に収めておいた入室済みの部屋番号のリストを見ながら、まだ入ったことのない部屋番を選択する。ガチ勢だねー、と笑いながらエレベーターに乗り込むと、お決まりのようにキスをされる。一階分上がるだけの僅かな時間、部屋まで我慢できないの?と思いながらも、心のどこかで期待している私だった。 今月、体調を崩してから勃ちが今一つ、、と気にしているS君。知らぬ間にコンビニで買っていた凄汁を飲み、スタンバイ。しかもエナジードリンクで流し込む意気込み。もしも挿入できない日が訪れたとしても、責めも落胆もしないのにな。と心の中でだけ呟く。男のプライド、とかは分からないけど、私が考えているより当人にとっては重大で、もしもの話だとしても失礼にあたる気がしたから。私だって突然S君に何をされても濡れなくなってしまったら、思うようにならない自分の身体に嫌気がさすかも、、。それに、訳もなく相手に対して申し訳ないと思うだろうな。S君の心情は分からないけど、勝手に自分に置き換えて思考を巡らせる私。早く万全に戻ったらいいね!と、前向きな事だけ伝えてお風呂に湯を張りに行く。洗面所で歯ブラシの準備をしていると、後ろから抱きしめられ、キスをされ、部屋の隅に追いやられる。逃げられないように、と壁に押し付けるのが好きなS君。私はというと、逃げる気は毛頭ない微弱な抵抗をしながら、心はもう次にされることを待ち望んでいる。あからさまに嬉しそうな顔をしていたらヤバいやつだ、と自分の中でブレーキをかける癖はなかなか抜けない。まあ半分以上壊れたブレーキになりつつあるのが現状なのだが。そのまま何度も唇を重ねられ、服の上から乳首を摘まれる。強くギリっと摘まれて痛みが走った。それに反して下半身は何故か快感を捉えて、身体の奥から痛みに喜んだ何かが、じわじわと下着を濡らし始める。
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