1月22日

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1月22日

今日は奇しくも、1週間の内に一番会える可能性が低いであろう、日曜日。私にとって日曜日は全くもって嬉しい日ではない。勿論、祝日や大型連休もだ。何故なら、自分の家族が家に揃ってしまうからである。本人たちが如何に綺麗事を並べ、自分たちは純愛だと叫ぼうと、世間様から見れば単なる不倫、、そんなことは百も承知だが、改めて文字にすると、グサっとくるものがある。それがS君に対してなのか、はたまた家族や世間様に対しての罪悪感なのか、それは定かではない。ただただ、悪いことをしている自覚があるからこそのモヤモヤだ。自業自得だから、致し方ない。 そんな今日という日曜日は、子供が体調を崩し、看病しながら過ごすお篭り日となった。元気な子供達が暇を持て余し、外に出れない不満から、いつもよりも些細なことでギャアギャアと騒ぐ騒ぐ。こちらがいくら説明し、静かにするよう説得しても、そんなもの一時凌ぎにすらならない。それが子供だと言われればそれまでたが、もう少し理解ある子供に育てられなかった、私が悪いのだろうか、と変な要所で自分を責めては落ち込む。 そんな中、夫は日曜日に珍しい出勤日で家を空けており、イヤホンを使って密やかな通話は可能な状況だった。寝起きの布団の中からおはよう、と始まり、時折りあちらの状況に合わせて切ったりするものの、僅かな時間さえ取れれば私を気にして電話をくれる。そんなS君に、私がどれだけ心を救われているか、計り知れないくらいだ。それでもギャアギャアと騒ぎ続ける家の中、具合の悪い子供の悲痛な声や生理前のイライラも重なり、いつもよりもキツい口調になってしまう自分に一番腹が立つ。余裕がないやつって細かいし五月蝿いし、顔にブス感出てるよな、と、昔夫にチクリと言われた言葉を時折思い出し、泣きたくなる。そんな嫌味を言う暇があるなら、少しでも私の負担を補おうと思ってくれてもいいのに、、と、悲しくなる。私が察してちゃん過ぎるのか、夫が無関心過ぎるのか、私が答えを出すことは出来ないが、後者だと大半の知人や身内は言ってくれるのではないだろうか。それほど周囲からの見る目は冷たいのだ。私が愛想を尽かすのも無理はない。そう言い訳しておく。 それはさて置き、体調不良真っ只中の子に昼食の希望を聞くと、驚いたことにチーズバーガーと答えたのだ。え、マックの?ポテトも食べれるの?シェイクは??と問うと、チーズバーガーだけ食べたい、ハッピーなセットで、と返答され困惑した。通話中だったS君が、買って届けようか?と天使のような優しい言葉をかけてくれたが、甘んじるのは不得意。何なら大切な人にほど、負担をかけたくないものだ。丁重にお断りし、元気な子らに静かに過ごしつつ様子を見ているよう頼み、私だけささっと買ってくることにした。それを聞き、すかさず同じマックへ向かってくれるS君。妹にそんな話をした際、お互いストーキングやば、キモwwと、冗談混じりで引かれたが、私達は幸い?お互いそういう質だった。居場所が分かれば追いたくなる、少しの時間でもいいから顔を合わせたい、抱きしめたい、キスしたい、と、常日頃から必死な2人なのだ。あわよくば、会えたらいいな、と僅かな希望に縋り、待ち伏せたり、ここか?と思うところを散策してみたり、偶然を信じて動く2人なのだ。はたから見たらキモwwと笑われるような行動でも、私達は真面目に好きで、純粋に会いたくて、お互いを追いかけているのだ。そんな考え故に、こんな間柄でありながら、私達が丸一日会えなかった日は笑えるほど少ない。一日会えずにLINEもまともに出来なかった時、S君が驚くほどに私がやつれてしまった事がある。自分でも、ここまで参ってしまうのか、、と、彼の存在意義を再認識した瞬間だった。本当に落ちている。S君という存在に、彼との甘く痛い時間に。 無事にマックでテイクアウトを済ませ、待っていてくれたS君と少しだけ触れ合う。もどかしい、けど、幸せに心震える。引き止めたい気持ちを抑えて、帰路に着く。勿論電話は繋いだままに。帰宅してからみんなでテイクアウトしたバーガー等を食べ、元気組は部屋を片付けに行かせて、私は体調不良の子の側に横たわり、2人でポツポツと会話を楽しんだ。S君から電話のお誘いがあったが、子を寝かしつけてからと待ってもらい、コロコロしていたのだが、、 ふと自分を起こす声に目を開けると、そこには夫の姿。驚いて起き上がると、知らぬ間に寝落ちてしまったようで、子がかけてくれたであろう毛布にくるまっていた。慌てて時計を見ると16時前。随分と早い帰宅にも焦るが、S君を待たせていた事を思い出し、尚焦る。スマホを開き、寝落ちてた!ごめん( ; ; )と連絡すると、即返信が。だと思った、と。私はいつも待たせて振り回してばかりだ。反省しているのに、繰り返す。これじゃあ自分の言うことを聞かない子供達と同じじゃないか、と凹む。外へ買い物へ出たい旨を伝え、夫を監視役に置いて家を飛び出した。買い物があるのは嘘ではない。私が鼻炎持ちなのと、吐き戻しやすい猫がいる我が家のティッシュ消費量は尋常ではなく、ポイントが貯まりやすい日曜日になるべく買うようにしているのだ。行きつけのドラッグストアへ、一目散に向かう。勿論散々待ちぼうけを喰らっていたS君も向かってくれている。すぐ動いてくれる有り難さと、放置して寝こけていた申し訳なさで押し潰されそうだ。でも、嬉しい。また今日、会えるなんて。 家からの距離は私の方が遥かに近い。当たり前のように通話をしながら直走り、一足先にお店に着いた。人目につかぬよう、通りから離れた場所へ駐車する。来る前に買い物を済ませよう、と先に店内に入り、通話を続けながら見て回る。会計に向かおうとしていると、入口方向からこちらへ歩いてくるS君に気がついた。嬉しくて申し訳なさも吹き飛び、満面の笑みを浮かべそうになるのを堪える。待たせておいて、ヘラヘラしてるのは、なんとなく気が引けたから。そんな私の心情を知ってか知らずか、S君は穏やかに嬉しそうな笑みを浮かべてくれる。笑った時に下がる目尻が好きだなぁ、と思わず自分の顔も綻ぶ。会計を済ませると、当たり前のように荷物を詰めて車まで運んでくれた。優しい、、神、、と、いつも心の中で拝んでいるのを、彼は知る由もない。荷物を自分の車に乗せてもらってから、S君の助手席に座る。ここを私だけの指定席にしたいなぁ、なんて欲張りな考えが頭を巡る。そんな考え事も束の間、おかえり、と視線を絡められた。ただいま、と照れを隠しながら目を細めて返す。ぎゅっと抱きしめられ、顎を持ち上げられる。この瞬間が堪らなく好き。私がこうされるのが好きなことを知ってるから取り入れてくれてるのかな、と気になってるけど、聞いたことはない。なんか、気恥ずかしいから。それに、勘違いだったら尚の事恥だ。とにかく、好き。そのまま唇が重ねられるのを待ち、重なった瞬間、ときめく。心がドキドキと、脈打つ。キスされてこんなにも嬉しくなる相手、本当にいなかったなぁ、、としみじみするほどに。そのまま指も一緒に触ったり握ったりと、あからさまにイカせる気満々のS君に翻弄される私。どうしてこんなことで簡単にイク身体になってしまったのか、、毎日毎日考えるけど、答えは霧の中だ。S君のせい!と、彼を責めることしかできない。まあ、こんな気持ちよさを教えてくれてありがとう、の方が大きいから、問題はないのだが。 何度も何度も絶頂させられても尚、S君のSは止まらない。と、突然、キスするであろう距離まで近づいたところで、待て。と制止された。何故?もう唇がほんのり触れ合っているくらい近いのに、と、急なストップにムッとしてしまう。んーんー、とキスを強請るが、だーめ、待て。と先へ進ませないS君。その間もほんの少し触れ合う唇や、暖かな吐息、S君の舌先が私の唇や口内を擽り、ゾクゾクと変な感覚が身体を襲う。靄がかかりだした頭に、いいよ、とお許しの言葉が届いた瞬間、唇を押し付けられ、舌を絡め取られた。んん!と、驚いて身体が痙攣した。途端に、ビクビクっとしながら私は果てていた。え?は??何???と、脳内?な私を見て、状況を即座に理解したS君。同じ責め方で繰り返しイカされ、途中でようやく私も理解した。待て、というパワーワードに過剰反応していることに。これはまた困った。また変な階段を一つ上がってしまった。気づいたところで時すでに遅し。すっかり頭と身体に覚えさせられ、呼吸は乱れ、下着はヌルヌルの状態で、いい加減帰らないとまずい私は、渋々と帰路についたのであった。 今日もイキ過ぎて、しんどい。 明日もS君に会えたらいいな。
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