背離

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「……(のろ)いから人々を救うためだ」  乾いた声が耳に突き刺さった。    ジークの中で、大きなものが断ち切られた。      アルクードの瞳が何かを訴えかけていた。  何の訴えなのか、判別できなかった。見続けるつもりも、理解するつもりもなかった。 「……人を……救うために、人を、……殺すの……? ……それじゃあ……、何にも、ならないじゃないか……。あの二人だって……救うはずの、人達だっただろ……」       アルクードはジークから目を逸らした。 「……僕達は……、……誰を、救おうとしているの……?」
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