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怨みと、怒りと憎しみと、惨めさと哀しさと、自己嫌悪――― その涙は少年の思いをあまりに表出しすぎていた。
「 畜生…… 」
少年には他に言葉が見つからなかった。
「 畜生!!」
涙の幕で歪んだ視界が、父親を入り口に立たせた部屋の奥に移る。
電灯に映し出された 一脚のベッド……その上に横たわる人影。
ディーチェは顔を顰めた。
部屋の中には、半身姿鬼と化し、半身元の人間の体のままで音もなく眠るディーチェの母の姿があった。
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