追憶

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 憎しみ 。呪い。  “フクシュウ”   恐しき形相の女の顔。  静まる風。  茫然とする父と子。  はじめから無かったように消え去った薬石村。     母のいた村。      金色の光が瞼の裏で赤く感じられていた。  柔軟性を失っていた体がぎこちなく動く。  ジークは目を開いた。  夢を、見ていた。  遠くて近き、昔の夢を。  
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