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脅迫状
数日後、店長に呼び出された僕はある依頼をされた。
「飯能の送り迎えをして欲しい?」
「そう、来てしまったんだよ。飯能ちゃんの学校に脅迫状が」
「え」
店長から見せられたコピー紙には、学校に届けられたという脅迫状が印刷されていた。
マスコミが大々的に飯能のことを持ち上げたせいで、バスジャック犯の仲間が飯能を逆恨みしているらしい。
「僕より飯能の方が強いと思いますが……」
武闘家の一人として毎日鍛えられている飯能は普段はぽけーっとしているが、実際は大抵の男よりも強い。
「チ、チ、チ。甘いね繊細くん。男性が側にいると言うだけで効力があるのさ」
僕は僕よりは筋肉のある成人男性を見つめた。
「それなら店長の方が適任では?」
「繊細くん、君ね。何のために自分たちが雇われたのか覚えてる?」
店長は大量の湿布の入った薬棚を指差した。僕達は店長がぎっくり腰をやらかしてから本の整理をするために雇われているのだ。
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