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送迎ツアー
「先輩! 今日からよろしくっすー!」
待ち合わせ場所は飯能の学校から徒歩1分の公園だ。どうして校門じゃないかというと、飯能の学校は女子が多いから僕が駄々をこねたわけで。
「言っとくけど、今日はルートの確認。明日からはバイトある日はバイトの前後学校まで迎えに行って、家まで送り届けるだけだからな」
「私のためにすみません〜。ま、先輩は学校では秀才なのにコミュ症だから、少しずつ人と話すためにご家族から無理矢理バイトに行かされているんでしたよね。これも経験だと思って」
その話は事実だが、僕から飯能に話したことはない。
「店長にはプライバシーってものがないのか」
「相変わらず先輩はテンパるまで何にも話してくれないすもんねぇ〜」
「う、うるさいぞ」
年下の飯能に揶揄われるようになったのはバイト先でのあるポカが原因だ。
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