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「ーーえ? 何か言いましたぁ?」
飯能はショーウィンドウに夢中だったらしく僕の声は聞いていなかったらしい。ゴシックと書かれた店名にピッタリなフリフリのドレスが飾られている。
「なんでもない。ーーなんだよ、そのお店が気になるのか」
「いえ〜。私には似合わないので」
ウィッグ付きの帽子をしていない飯能は男の子のようにも見える。だが、それとこれとは多分別だ。
「いや、似合うよ。飯能なら」
僕は自分がどうしてこんな提案をしたのかは知らない。
「今日はバイトも無いし、見ていくか?」
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