古本屋バイト

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も無事で良かった」 「はい」  “繊細くん”というのは、この古本屋の店長が僕に付けたあだ名だ。店長は僕の親戚にあたるのだが、僕の両親が「この子は繊細だから〜」と毎度のたまったせいで、昔から繊細くんと呼ばれている。 「大丈夫ですよぉ。先輩が怖くてお漏らししちゃった話は秘密にしますから」 「してない。嘘つくな」 「本当、繊細君は飯能ちゃんとは普通に喋れるんだねぇ」 「別に、そういうわけじゃないです」  飯能と僕はこの古びたお店のたった2人きりのバイトだ。人間嫌いの僕でもそれなりの会話はできるのだと言いたい。
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