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翌日、大学内を歩いていたところ
「Hi!」
と、間近で声がした。
もしかして、私に声かけた?
振り返ったら、昨日のチャラチャラしたヤツが現れた。
「ねぇ!モデルやってよ~」
「…いいけど。みおもやってたみたいだし」
「ミオ?ってダレ?」
「姉だよ」
「知らないよ?」
は?それって、みおの影薄かったってこと?
記憶にすら残らない程に?うわーまじで誰でもいいやつじゃん!
「だって、俺、留学で来たばっかりだよ~?」
「え?なにそれ、外国の人?」
「ニホン人だよ~?ハワイにずっと住んでたけど~」
「それ日本人じゃないでしょ」
「ん?古屋準也だよ?」
…話にならない。通じてない。
「意味わかんない」
「え~?ナンデ?」
「もういいです」
「あ、じゃあ今日の夕方スタジオ来てね!」
「は?今日?」
「うん」
「…ちょっと、夕方って何時のこと?」
その時には、もう彼の姿はなかった。
結局何時に行ったっけな?
…もう忘れてしまったけれど。
いい加減な私たちの出会いである。
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