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ザザザザッ…ザザザッ…
背後で音がして
慌てて振り向くけど、あるのは木だけ…
昔、森の調律をしてる時に
木々が根っこを土から出して
動いてるのを見たことある…
だからきっと、木々が動いてる音ね。
来るたびに道が変わるのは
木々が動き回ってるからなのよね…
もちろん、中にいても道は
知らぬ間に変わってる、こうしてる間にも。
茂みにもぐり込んで、木の根本を
確認するとウネウネ草を見つけた！
ウネウネ草の根本をつまみ
木の根本から引き抜くと
木の根っこが素早く土から出てきて
茂みの中から弾き出された！
わたし
イアリィア・ベルルス
「ぁうぅ！？」
いったぁあ！けど…木も同じぐらい
いや…もっと痛かったのかな…
別の茂みに転がり込んで
木の根本に視線を向けると
また、ウネウネ草があった！
けど…引き抜くのは止めようかな…
わたしは目を閉じて右手に意識を集中させる。
ダガー…ダガー…お願い、ダガーを、わたしに…
目を開けると右手に真っ黒いダガーを握っていた！
よし、これで…ウネウネ草を
木の根本から刈り取る。
弾き飛ばされない！こ、これなら…！
茂みから顔を出そうとした時
足音が聞こえてきた！
わたしは、茂みの中でジッとする…
「イアリィアぁ…ボクの
愛しい、イアリィアはどこダ…」
イアリィアって…
わたしの名前だけど、同姓同名の別人かも。
わたしは茂みの中でひたすらジッとした…
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