1

2/2
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
私は紅娘に入社し、無事ゲーム開発部にまで漕ぎ着いた。 そうして私は案を出す。それは紅娘で大ヒットを記録した『スーパーブラザーズ』だ。略して『スパブラ』と呼ばれる。主人公が『M』の文字が入った帽子をつけているので親近感が湧いている。 ゲームの内容は至ってシンプルで主人公を操作しゴールに辿り着くというだけで道中に隠し要素などもあり、やり込める。 そうして二年が過ぎ、ついに私の企画が採用された。技術の進歩に伴ってだろう。 キャッチコピーは『ついにあの兄弟が飛び出した!あなたの街を駆け巡る!スーパーブラザーズDXPro』だ。 簡単に説明するとそれぞれ住んでいる場所をマップから選ぶ。すると最新鋭のAIがコースを作ってくれる。自分で作ることも可能だ。細道などは隠し通路になり、これまたやり込み要素がある。 そして見事、大ヒットを記録した。元々シリーズで売れていたから当たり前だが。 この企画の発案者として私は指揮を執った。私は新人賞に選出された。新人とは何なのだろうか。 このまま紅娘で働いてもいいが私にはやりたいことがある。 私はもう一年勤め、自ら退職した。 三十路を過ぎた私は、職に就くのが困難になる、と言われた。しかしこの数年間働いて貯めた資金で生活する分には申し分ないくらいの額があったので私は、職には就きません。夢を叶えます、と言ってこの会社を後にした。 ついでに認・紅娘から殿堂入りへと昇格した。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!