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『飛行ルンです』は部下たちに任せ私は別の開発に移った。
部下は私が子供の頃にガラクタから作ったロボットから着想し、自分で発明した。これは核反応で動いているので、すぐ傍に『飛行ルンです』が置いてある。無論有害物質を原材料とするためだ。
この事実は世間には公表していない。
大きな工場で誰かが働いているのは分かるが誰は働いているのかは誰も知らない。私さえ最近はそこへ出入りしていない。『チャーリ一とチョコレート工場』と似たものだ。
続いての開発は国から任されたものである。
砕氷船を作ってくれとの依頼だった。費用は国が負担するらしいので何の躊躇もなく開発できる。
クラゲが泳ぐ動きから氷を破壊して脇に跳ね除けるのを思いついた私は早速その部分の作成にかかった。
その部分の設計図を作成し私は3D技術で完成時の作動を確認した。すると重要な欠点に気づいた。
傘を広げたような形状は海の上を進むのには不向きなのだ。
私は急遽予定を変更し、その部分だけを作成し国に渡した。
私は配達で送った。組み立てには超強力磁石を用いているので三つに分けて配達した。手紙も同封した。
『砕氷具〈のぶ〉
砕氷船〈しらせ〉の先端部分に取り付けて使用ください。
M博士』
そうして一年後の『しらせ』には『のぶ』が装着されていた。
これによりポイントに到着するまでの時間が大幅に短縮できるようになった。
私は幾度と賞を獲得し、世界的貢献度ランキングベスト100に入った。私は褒められるのがあまり好きではなかったので社会から姿を消した。
元々、私は世間には顔を公表していないのでバレる心配はない……はず。本名も明かしてないし。
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