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「うーん。二日だと流石にきついな。ま、やれるだけやってみるか」
私は今ある失敗作を組み合わせて何とか過去へ戻れるスプレーを製作した。スプレー型より目覚まし時計の形を目指していたのだが。本当は未来にも行けるようにしたかったが時間がないから仕方がない。
レンタカー屋に入り、従業員に挨拶する。
もちろん彼らは私が裏で何をしているのかも過去の私のことも知らない。
──そろそろ約束の時間かな。
すると自動ドアが開き一人の男が入ってきた。
私は男に声をかけ約束のもの、スプレーを渡した。
「ありがとうございます」
私は茶封筒を受け取り彼を見送った。
茶封筒を懐にしまう。
「何渡したんですか、社長?」
従業員の一人が訪ねてくる。
「ああ、なんか防虫スプレーが欲しいらしかったんで分けてあげたんだ」
「さっすが、社長、お人好しがすぎますね」
「はいはい、じゃみんな引き続き頑張ってね」
『はい』
スプレー型が言い訳になるとは。
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