にょろとふて【短編】

2/9
前へ
/9ページ
次へ
「おまえだって人間が首に巻いてるような、ひょろ長い風体のくせにぃ!」 「どこからきたの?」 「おい無視すんな!?」 「外から入れそうな所なんて見当たらないんだけど」  あたしがそうして見つめていると、小さな毛玉さんは胸を張った。 「侵入ルートは──教えない!」 「声高(こわだか)に言うこと!?」 「これ美味いな」  言ったからいいだろとばかりに、堂々とあたしのえさ食べ始めた。遠慮がないなこのハムスター。  でもまあいいや。飼い主さんがいないあいだ、とっても暇だから遊び相手ができたと思うと嬉しい。 「ねえねえ! 遊ぼうよ!」 「いやだ」 「即答!?」  あたしのえさをかっぱらっといて、それはないんじゃない!?
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加