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__『じゃあよろしくね六根。』 __『優秀な子に育てるわ、緋矢。』 時が経ち、数年後。 彼らはあれから別々の親族に引き取られていった。 六根は漫画家である叔母に。 緋矢は子供を欲しがっていた遠縁の女性に。 それぞれがあの日を乗り越えるために頑張って過ごしていた。 「……おばさん、ちょっと散歩行ってくる」 「ついでにインク買ってきてー」 「ふふ、はーい!」 兄の六根は文章で表現する事に才能を見出だして叔母の手伝いをしつつ小説家として働き始めた。 そんな六根が散歩していると。 ふと、美しい白髪の男性とすれ違う。 六根は、あの時見た白いローブの人と重ねその人を呼び止める。 「………あのっ、!」 「……はい、なんでっしゃろ?」 「ぇ、ぁ、人違い、なんですけど、えっと」 「……訳ありみたいやねぇ。どれ話きいたるよ?」 「ありがとうございます。」 そうして六根は見ず知らずの彼に自らの生い立ちをポツポツと話し始めた。 白髪の彼は熱心に頷いて、そして時々六根を撫でて慰めた。 全て聞き終わると彼は少し考えた後にいった。 「……その白いローブの人は、殺し屋でしょうね。中でも無差別に襲う、もしくは子供以外、大人に恨みを持つ人だったのでしょうね。」 「殺し屋、?」 急にそんな物騒な言葉が出てきた六根はぽかんと固まる。 そんな様子にふふ、と笑うと彼はいった。 「私殺し屋ですから。」 そんな衝撃のカミングアウトに六根の思考は一瞬止まる。 え、警察呼ぶ?嫌でもこの人優しいし、 なんて混乱していると彼は人差し指を口に当てて「秘密ですよ」なんていう。 それに毒気を抜かれて、というか話を聞いてくれてなお慰めてくれるこの優しい殺し屋を六根は気に入っていた。 「なあ、名前聞いていいか?」 「白井望です、困ったときはうちを頼ってください。」 こうして奇妙な友情が芽生えたのだ。
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