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「幸せになりたい」
「急にどうした?」
菜子は友人の発言に眉をしかめた。
「ふと、将来に想いを馳せたら不安しか浮かばなかったので」
芽鳥は頭を抱えるようなポージングを取りつつ菜子を見やる。
「色々あって、無職になったら養ってくれる?」
「私が? 何故に?」
「固い絆で結ばれた仲だから?」
「答えが疑問系な時点で理由になっていないじゃねえか…」
小首を傾げつつ自分を見る友人にそう洩らし、掌を額に当てた菜子。
「家族とか人生のパートナーに先ず頼れよ」
「──前者なら『針の菰に座る生活をしろと?』だし、後者なら存在していないので無意味……あ、菜子が人生のパートナーでは?」
「え?」
「え?」
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