序章 処罰の時間

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 居心地の悪い央司(おうじ)の視線が両親に向かう。  二人に対しても、央司からは不満がある。  仮に兄が応じても両親が反対したら、英彦は無理に押すことはしなかっただろう。  その二人は席に座ったまま、祝福を受ける央司たちを(けわ)しい表情で見てきている。  そのことにも不満だった。  息子が(つら)い状況なのに、助けてくれないどころか突き放してくる。  央司も心の奥では分かっている。  すべては自分の軽率な行動の結果だとは。  でも、もし、何かが一つ違っていたら、こんなところにいなくて済んだのに、という気持ちを(おさ)えることは不可能だった。
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