第三章 去った蝶

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 ***  母親は、お気に入りの相手を招く時はサンルームに案内する。  だから、間違いなく佳織はサンルームにいる。つまり、そこへ直接行けばいいわけだ。  でも、央司(おうじ)は、家に入るにはどうしたらいいか分からなかった。  今までは、当たり前だけど玄関から出入りしている。なので、隠れて入る方法が浮かばない。  (こうなったら、強行突破だ)  一生懸命会いに来たと知れば、佳織も感動してくれるはず。  そう思いながら、央司は裏口から入り、気づいた使用人たちに追われながら、必死にサンルームを目指した……
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