0人が本棚に入れています
本棚に追加
「商品の素材に、神殿で使用されている絹を使いたいと、考えています」
イリスは単刀直入に言った。
押しが重要、ぶれない決意表明だ。
「ですので、シオン様の許可をいただきたく、お願いに参った次第でございます」
丁寧な言い方で、イリスはシオンをにらみつけた。
目力も重要なのだ。
「それはできません。絹は神殿の儀式に使う神聖なものですから」
シオンは淡々と言うと、イリスはニヤッと笑った。
「そーですか。魔族には神聖な物は売れないって言うのですか。
魔族は穢れているからですか。
それって偏見ですよ」
シオンは前のめりに迫ってくる、イリスの勢いを制するように手をあげて
「魔族だから、許可を出さない、という訳ではありません。」
「じゃぁ、私がサキュバスだからですかぁ、オトコの精気が必要な私は・・・」
シオンは、細く長いゆびを組んで、まっすぐにイリスを見据えるように見つめた。
「それも違います。
そもそも、古代の神殿では、
サキュバスの力を必要としていた時代があるのです」
へ・・・・
そんなの知らんぞ・・
最初のコメントを投稿しよう!