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イリスの別の姿
次に目を覚ました時は、ベッドに横になっていた。
布団の中は暖かく、ぬくぬくして気持ちがいい・・・・
窓の外は、深い闇で覆われて、窓ガラスはランプの明かりが乱反射している。
痛みやかゆみは、だいぶ薄れてはきているが、目はまだ腫れぼったい。
抱き寄せられている?
誰・・?
しっかりと毛布にくるまれて・・自分の背中に誰かの手がまわっている。
イリスは体を反転させて、見上げた。
シオンが身を投げ出すように、眠っているのが見えた。
金の髪がほほにかかり、金と緑の長いまつげ、ランプの明かりで陰影が深く、それだけで美しい絵画のよう。
少しはだけた胸元から肩は、幅が広い。
フェアリーのオトコは、本当にきれいなのだな。
精気はどんな味なのだろう・・昔、フェアリーは、食ったことがあるが無味無臭だった。
水のフェアリーだったのだろう。
シオンは緑のフェアリー、それもいにしえの王族・・その末裔と言っていたっけ。
なんで一緒のベッドで、眠っているんだ?
私はこいつを食ったのか・・?
頭がぼんやりしていて、思考が、するすると流れ落ちてしまう。
ギシッ
ベッドがきしんで、シオンが半身を起こした。
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