イリスの別の姿

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「ああ、目が覚めましたね、良かった。 体がすごく冷たくなっていて、震えが止まらないようなので心配しました」 シオンはイリスの顔を覗き込み、その額に手をやった。 次に、金に深い緑の混ざる瞳は・・不思議そうに細められた。 「それが、あなたの本来の姿?」 グゲッ イリスは起きようとしたが、シオンに両肩を押さえこまれて、倒れこんだ。 その肩は小さく華奢で、10才ほどの少女のようだ。 「なぜ・・そのような姿になるのですか?」 「うぐぐぐぐぐぐ・・・・」 イリスはこぶしを握って、自分の目にあてた。 シオンの、不思議な物を見るような視線が怖い、と思ったからだ。 やっちまった。 自分の弱点を知られた。 魔族は他人に、自分の弱点を知られるのをとても恐れる。 「疲れて体調が悪かったり、酒を飲みすぎたり、精気が足らない状態が続くとこうなる・・」 イリスは虚勢をはるように、しかし、最後はかぼそい声になった。 シオンはベッドから起き上がり、テーブルの水差しから、液体をガラスのコップに注いだ。
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