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カラン カラン
ドアをあけると、小さなベルが鳴った。
「いらっしゃいませ」
赤い髪のフェアリーのお姉さんが、カウンター越しに声をかけた。
「この子が靴をなくしてしまって、合うのを探して欲しいのですが」
シオンが説明をすると
「あらあら、魔族のお嬢ちゃんですね。
年越しの儀式だったのですね。とってもかわいいわ」
もちろん、商売用トークであろうが、イリスはニカッと笑った。
「これはどうですか?履いてみてね」
お姉さんは小さな白いサンダルを、店の奥から出してきた。
シオンは、イリスを椅子に座らせた。
「うん、大丈夫、ちょうどいい」
イリスはうなずいた。
「あと、お土産にこれはいかがですか?
年越しの儀式のお土産に、みなさん買われるのですよ」
お姉さんはガラスケースから、小さい籐かごを出した。
かごには、ピンクのウサギのぬいぐるみと、カラフルで小さな卵が、たくさん入っていた。
「この小さな卵は、キャンディですよ。年越しの縁起物です」
フェアリーのお姉ちゃんは、なかなか商売がうまい。
今度、スカウトしてもいい・・イリスは考えていた。
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