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「んで、考えていたんだけど、年齢が高くなれば、素材が重要だと思うんだ。
肌に優しくて、高級感があるものがね。
ねっ、あなたもそう思うでしょう?キアラちゃん」
赤ん坊は呼びかけられて、キャツキャツと笑った。
「シルク、絹なんかどうかと思って。フェアリー領ならば、どこで手に入る?」
アクアは少し考え込んで
「絹は・・特別なのです。
神殿の儀式とか、式服にしか使ってはいけないものなので」
「でもさ、あるにはあるんだ」
アクアは困った顔をした。
「ええ、でも、市場には出回らない、売買されるものではないのですよ」
「どゆこと?」
イリスは首をかしげた。
「絹は、フェアリー領の神殿で、すべて管理をしているのです。
一般のフェアリーには、手に入るものではないのです」
「領主の娘のアンタでも?」
「ええ、神殿は特別なので、管理している神官様は古(いにしえ)の王族の末裔のお方ですし」
「そうなんか・・・」
イリスの赤い唇の片側が上がった。
「ねぇ、神官様って、オトコなの?」
イリスのサキュバス魂に、火が付いたようだ。
「神官様は男性ですけど、御高齢で、ほとんど表にお出にならない方なのですよ」
「ジジィなんかぁ・・・」
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