イリスのパパ

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でも、それより・・・・ 「ねぇ、パパ、あたし、これも欲しい」 イリスはおねだり視線で、シオンを見上げた。 シオンの金の瞳が一瞬細くなり、動揺しているのがわかった。 「パパぁ、うさぎちゃんほしい。」 少し、だだをこねる感じで言ってみた。 「そ、それではそれも一緒にお願いします」 シオンは、あくまでも平静を装っているが、口に手をあてて、いきなりのパパ呼びに困っているのがわかる。 イリスはサンダルを履き、かごを手に持つと、支払いをしているシオンの上着の裾を引っ張り 「パパぁ、次はケーキ屋さんだよぉ」 わざと口を尖らせて言った。 それから、店のお姉さんにむかって 「今日はパパとデートなの。ママはね、おうちで赤ちゃんと一緒なんだよ。 だからね、ケーキをお土産にするの」 その説明の言葉を聞いて、シオンは複雑な、なんとも言えない表情をした。 「そうなの。パパとのデート、楽しんでね」 そうお姉さんに言われて、おしゃまな娘を演じる楽しさに、イリスはニンマリしていた。
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